日本臨床歯周病学会年次大会に参加してきました。
院長の奈良です。
7月26日・27日の2日間、広島で開催された日本臨床歯周病学会第43回年次大会に、当院の勤務医や歯科衛生士と共に参加してまいりました。
今回の学会は、「重度歯周炎StageⅣへの挑戦」というテーマで開催されました。
歯周病(歯周炎)は進行すると、歯を支える骨が大きく失われ、最終的には複数の歯を失ってしまうケースも少なくありません。多くの歯を失った状態は、歯周病の重症度分類で「ステージⅣ」とされます。
このステージⅣの治療は、単に歯石を取るなどの基本治療だけでは十分ではなく、
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歯周外科治療
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補綴治療(被せ物や入れ歯、インプラント、ブリッジなど)
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矯正治療
などを組み合わせた包括的な治療が必要となります。
失った歯が多い場合には、かみ合わせを安定させるために補綴治療が欠かせません。その方法としては、一般的に入れ歯治療かインプラント治療が選択されます。
しかし、多数の歯を失った患者さんにとっては「歯を失ったショック」が大きく、特に入れ歯(義歯)には抵抗感や不便さを感じる方も少なくありません。
そのような場合の選択肢のひとつとして、インプラント治療があります。
インプラントは、あごの骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する方法です。入れ歯に比べて、
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自分の歯に近い感覚で噛める
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見た目が自然で審美的
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しっかり固定されるため違和感が少ない
といったメリットがあり、満足度の高い治療法といえます。もちろん、治療期間や費用の負担はありますが、「もう一度しっかり噛みたい」「自然な見た目を取り戻したい」という方には有力な選択肢です。
今回の学会では、このような重度歯周炎に対する最新の治療法や症例報告が数多く紹介され、大変勉強になりました。今後も学んだ知識を活かし、患者さまにとって最善の治療をご提案できるよう努めてまいります。
また、衛生士向けのセッションでは、それぞれ異なる背景を持つ患者さまにどのように寄り添った治療を行うかといった内容も取り上げられていました。当院の歯科衛生士もこの講演に感銘を受け、今後の患者さまへのサポートに役立てていきたいと話していました。
学会の醍醐味は最新情報を得ることだけではなく、全国の先生方や歯科衛生士との交流を通じて、自院の診療を客観的に見つめ直す機会となることにもあります。広島でのディスカッションを通じて、当院の歯周病治療や予防の取り組みをさらに高めたいという気持ちが一層強まりました。
私たちは、患者さまに安心して通っていただけるクリニックであるために、常に新しい知識を吸収し、最新の歯科医療を地域の皆さまに還元していくことを大切にしています。今回の日本臨床歯周病学会への参加も、その一環です。
今後も学んだ内容を日々の診療に活かし、歯周病予防から治療、そして再発防止までをトータルにサポートできる歯科医療を提供してまいります。
歯周病は初期段階では自覚症状が少なく、気づかないうちに進行してしまう病気です。
定期的な歯科検診やクリーニングによる予防がとても大切です。当院では歯周病の検査や予防処置、再生療法を含めた幅広い治療に対応しておりますので、気になる症状がある方やしばらく歯科に通っていない方は、ぜひお気軽にご相談ください。
学会で得た新しい知見を活かし、地域の皆さまのお口の健康を守るため、スタッフ一同これからも努力してまいります。