Dr. Daniel Cardaropoli講演会に参加してきました。
院長の奈良です。
いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます。
私も講師の一員であるJIADS(The Japan Institute for Advanced Dental Studies) 主催の特別講演会に参加いたしました。今回は、イタリアより世界的にご活躍されている Dr. Daniel Cardaropoli(カルダロポリ先生) を招聘し、2日間にわたり大変貴重な学びの機会をいただきました。
カルダロポリ先生は、ハーバード大学にてペリオ・インプラント学のディプロマを取得され、さらにシエナ大学でバイオメカニクスのディプロマを修了されている、歯周治療やインプラント治療の分野で世界的に高い評価を受けている先生です。
今回の講演会では、以下の4つのテーマが取り上げられました。
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根面被覆
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インプラント周囲の軟組織マネジメント
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歯周-矯正治療のシナジー
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インプラントサイトへの矯正移動
各テーマについて、日本からも著名な先生方が発表を行い、その後カルダロポリ先生が総括するというスタイルで進行しました。どの発表も非常に高いレベルで、多くの臨床に直結する内容ばかりでした。
私自身は、「インプラント周囲の軟組織マネジメント」 のテーマで講演を担当させていただきました。
前歯部の審美領域への抜歯即時埋入を行った症例と段階的に骨造成を行い、インプラントを埋入するだけでなく、歯肉の増生も図った症例について発表しました。さらに昔にインプラント治療がなされた患者さんへの歯茎下がりの治療についても発表しました。
近年、インプラント治療の長期的成功には、骨の安定性だけでなく軟組織(歯ぐき)の質と量が重要であることが強調されています。日々の診療の中で感じていることや、臨床での工夫を中心にお話しさせていただきました。
最後のディスカッションでは、一つの症例に対して「それぞれの先生ならどう治療するか?」という問いかけがありました。異なるアプローチが提示される中で、自分の考えを整理し直すとともに、新たな視点を得ることができました。このように、歯科治療にはさまざまな選択肢があり、それぞれに長所があることを改めて実感しました。
JIADSは、歯周治療、補綴治療、歯内療法など幅広い分野の研修コースを開催しており、私も歯周治療コースの講師を担当しています。講師陣には国内外でご活躍されている先生方が多く、今回その一員として登壇できたことは大変光栄でした。同時に、私の講演が参加された先生方の臨床に少しでも役立つものであればと願っております。
今回の講演会を通じて得られた知識や気づきを、日々の診療にも還元し、地域の皆さまにより良い歯周治療・インプラント治療をご提供できるよう努めてまいります。





監修:歯科医師 奈良嘉峰